浄閑寺(投込寺)

浄閑寺は、南千住にある投込寺として知られる浄土宗の寺院です。榮法山清光院浄閑寺と号し、創建は明暦元年(1655)、寛保2年(1742)に建立された山門は、貴重な文化財として区に登録されています。
安政2年(1855)の大地震の際、死亡した新吉原の遊女が投げ込み同然に葬られたことから、投込寺と呼ばれるようになりました。
新吉原創業から380余年間に葬られた人数は2万5千人にのぼるとも言われています。
慰霊のために建てられた新吉原総霊塔の土台部分には、花又花酔(はなまたかすい)の「(うま)れては苦界 死しては浄閑寺」の川柳が刻まれ、遊女たちの哀しい生涯を私たちに伝えています。

浄閑寺表門(区登録文化財)
浄閑寺表門(区登録文化財)

新吉原総霊塔
新吉原総霊塔(区登録文化財)

花又花酔区壁
花又花酔区壁

本堂を半ば囲むように置かれた墓地には、吉原にゆかりのある著名な人物達の墓碑があります。墓地の入口を入ってすぐ右手には、年季奉公を終える直前、客の凶刃に倒れた悲劇の遊女「若紫」の墓が残されています。

若紫の墓
若紫の墓

そのまま奥に進むと作家・永井荷風の死を刻んだ詩碑があります。これは吉原に格別の思いを寄せた彼の様子を知る文壇のメンバー達が、荷風の没後に建てたものです。現在も忌日である4月30日の「荷風忌(かふうき)」には法要が行われています。「荷風忌」は春の季語でもあります。

永井荷風の詩碑
永井荷風の詩碑

さらに、昭和57年には山谷老友会の発願により「ひまわり地蔵尊」が建立され、今にいたるまで日雇い労働者や身寄りのない人々の霊を慰めるための供養がなされています。

ひまわり地蔵尊
ひまわり地蔵尊

【所在地】

東京都荒川区南千住2丁目1-12

【参考文献】

  1. 南千住の民俗』 (荒川区教育委員会 1996.3)
  2. 大正・三輪浄閑寺』(青蛙房 1978.6)
  3. 浄閑寺と荷風先生』(浄閑寺 1963.5)
  4. 隅田川とその両岸』 補遺 上巻(芳洲書院 1971.8)
  5. 三の輪町史』(三の輪町史編さん会 1968.10)
  6. 遊里新内考』(同成社 1967)

【参考サイト】

浄閑寺ホームページ http://jyokanji.com/