11歳(さい)になったジェリーはクラスで一番のお調子者。先生のモノマネを始めると、みんな大爆笑(ばくしょう)。そんなジェリーが、人から傷(きず)つくことを言われたとき、選択肢(せんたくし)はふたつあります。ひとつは「いまのすごい傷ついた、あやまってよ！」と怒(おこ)る。でもジェリーは、ふたつめの選択肢「笑(わら)い飛(と)ばす」をいつも選(えら)んできました。家に帰ると、本当の気持ちをピンクのカバーの秘密(ひみつ)のノートに書き込(こ)みます。本当の自分を出せない事に悩むジェリーが、秘密のノートを手放すことができる日はくるのでしょうか。

ページを開いて左と右の絵を見くらべてみましょう。
へいわのボクはむねをはって立っていますが、せんそうのボクはせなかを丸めて小さくなっています。
へいわのワタシはたくさんの本を読んでいますが、せんそうのワタシは何もないつくえの前でこまった顔をしています。
みかたのあかちゃんとてきのあかちゃんは、どちらもスヤスヤねむっています。同じ人やものですが、へいわのときとせんそうのときでどんな風にちがうのでしょう。
白と黒だけのシンプルな絵が、わたしたちの心に問いかけてきます。

小学6年生の拓(たく)人(と)は、クラスメイトの忍(しのぶ)と宇太佳(うたか)と一緒(いっしょ)にスケボーにハマっている。けれど、いつもの公園がスケボー禁止(きんし)になってしまった。
やっと見つけた超(ちょう)穴(あな)場(ば)で遊んでいた三人は、田中さんというおじいさんと知り合う。クラスのなかでは「しらけチーム」。
サッカーはやめてしまったし、忍や宇太佳のように塾(じゅく)や習い事にも行っていない。
最近(さいきん)は意味もなくイライラしたり、ムカつくことが増(ふ)えて「これが、いわゆる思春期(ししゅんき)ってやつだろうか」なんて思っていた拓人だけれど、田中さんと色々な話をしていたら、どうしてもやってみたいことができて……。