東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会で、オリンピック史上初めて選手を含む大会関係者の入退場管理に使用された顔認証システム。日本の企業が開発した認証精度とスピードは、世界ナンバー１の評価を得ている。　
　その技術はさらに磨かれ、マスク着用時でも99.9％の認証率を達成した。
　世界で戦い、トップを取り続ける研究者たちの地道な努力は、どんな世の中になっても少しも変わらない。
　顔認証というと、厳しい本人確認や管理技術のイメージだが、“顔色が悪いけど大丈夫？”といった心身の健康状態への“気遣い”や“見守り”、空港や観光地での案内といった“おもてなし”“特別感の演出”も可能であるという。
　日本の世界ナンバー１の技術を知り、日本人らしい感性で活用すること、それが未来を拓く鍵のひとつになる。

　コロナ禍の中、台湾のデジタル担当大臣オードリー・タンの対応は衝撃的だったが、自分にとっては、日本がデジタル分野において、ずいぶんと遅れをとっているように見えたことも衝撃的だった。
　オードリーの理念は、一般人には理解できないくらい革新的かと思いきや、「誰も置き去りにしない」「〈公開・透明・協力〉によって信頼を得、議論ができ、実現が可能となる」「失敗のシェアこそ重要」と平易であり、情報弱者に対しても充分に配慮されたものであった。本書には実践可能な「未来へのヒント」がちりばめられている！