おすすめの本

本の動物園 本で動物園(9月)

  • 掲載日:2023年9月15日

私たちの身近に寄り添うペットから、身近な野生動物、延いては食肉まで、生き物とのかかわりを描いた本をご紹介します。
今まで意識していなかった身近な動物たちが、今までとは少し違って見えてくるかもしれません。

猫が見ていた(文春文庫)

猫が見ていた

  • 湊かなえ/ほか著
  • 文春文庫
  • 2017年7月

猫に癒され、寄り添われ、翻弄される…。持ち味の違う七人の作家による猫小説。まさに…猫好きの、猫好きによる、猫好きのための猫小説。
自分を捨て、家を出て行った母親。その母親からの愛情のかけらを手渡してくれた猫。
絶望の書だと言われた…。忘れられない、猫がえがかれた名作絵本の悲しみ。
人間不信の僕に希望を持たせてくれた、ゲームのレアキャラ猫とナナちゃん。
今まで読んだことのない作者の小説も楽しめる、これでもかこれでもかというほどニャンコだらけの一冊。

鳥肉以上、鳥学未満。-HUMAN CHICKEN INTERFACE-

鳥肉以上鳥学未満。

  • 川上和人/著
  • 岩波書店(岩波現代文庫)
  • 2023年4月

スズメのくちばしは黄色じゃない!?
牛も豚も鴨だって赤身なのに鶏肉ってどうしてピンクなのかなんて、考えたこともなかった。
手羽ってどこまでがもとで、どこからが先?
鳥の膝ってあの後ろ側に曲がっているところじゃないの?
知っているようで知らなかった鶏肉を、味わいつつも徹底的に調べつくす。
チキンへの道は一日にしてならず。
頭からもみじ(鶏足)まで美味しく楽しむキッチンサイエンスはいかがでしょうか?

先生、大蛇が図書館をうろついています!

先生、大蛇が図書館をうろついています!

  • 小林朋道/著
  • 築地書館
  • 2020年4月

ゼミ合宿に出かける朝、悲劇の死を遂げていたモモンガが遺した3匹の子モモンガの子育て、ヘビ好きな学生の話、モモンガコースターの焼印押しの話など、内容も登場する生物も盛りだくさん。特に図書館でヘビが逃げ出した話が印象的。タイトル通りの大蛇でないとはいえ、大きな問題にならない大らかなところに懐の大きさを感じます。
先日、自宅近くの住宅街でハクビシンに遭遇して驚きました。このシリーズは、楽しく読みながらも、そんな身近にいる野生生物との共生にまで思いを馳せることができるのではないでしょうか。