おすすめの本

むすぶ、つながる。(12月)

  • 掲載日:2023年12月15日

私たちは日々、何かとつながって生きている。かわいい動物に癒されたり、神様にお願いごとをしたり
図書館で情報を入手したりすることで、さまざまな世界とつながっている。

保護ねこ活動ねこかつ!
-ずっとのおうちが救えるいのち-

  • 高橋うらら/著
  • 岩崎書店
  • 2022年10月

埼玉県にある「ねこかつ」は、保護猫のための猫カフェです。猫保護活動、略してねこかつ。その名の通りここで暮らす猫たちはみんな、飼い主との縁が結ばれるのを待っている保護猫ばかりです。
ねこかつは代表の梅田さんが、人間の都合で増えてしまい殺処分される猫を少しでも減らしたいと、たった一人で立ち上げました。
それからというもの、梅田さんの毎日は地域の野良猫を捕獲して自費で避妊・去勢し、これ以上野良猫が増えるのを防止するかたわら、車を走らせ他県の動物指導センター(保健所)に赴き殺処分を待つ猫を引き取ってくるというものでした。
たまの休みには、東日本大震災で飼い主が避難して取り残されたペットたちを保護するボランティアも行いました。
毎日たくさんの子猫にミルクをあげ、怪我や病気の猫の世話をし、里親をさがし、ひたむきに活動を続けるうちに、賛同者が増えていき、今ではねこかつは県内2か所にカフェを構えるようになりました。
里親が見つかった猫は三千頭以上にものぼります。
もしも猫を飼うことを検討されている方は、こういった縁の結び方も選択肢の一つに入れてみてはいかがでしょうか。

日本人と神様 
ーゆるやかで強い絆の理由ー

  • 櫻井治男
  • ポプラ社
  • 2014年1月

このような経験、一度はありませんか?
「受験合格するために、学業成就の有名な神社にいこう!」「いい人が出来るようにお参りにしに行こう!」「家内安全のために神主さんにご祈祷してもらおう!」など普段はあまり意識していない「神社」に時折お参りしに行くことはありませんか。
それは特に神様を信仰していない人でも友人や家族などと「開運スポット」として出かける方も最近では多いのではないでしょうか。
しかも、行く場所によって「ご利益」というものが違ったりしますよね。
私たち日本人独特の文化で他の国では考えられない信仰のカタチです。
では、実際にいつからこのような関係になったのでしょうか。
日本人にとって、遠いようでとても身近な日本の神様は一体どんな存在なのか。
こちらの本では、そんな日本人と神様の独特でかつゆるやかな付き合い方を学べる本となっています。
神様にも流行があるようです。この流行はどこから生まれてくるのか。
読んでから、神社にお参りに行くと新たな発見があるかもしれません。

つながる図書館
-コミュニティの核をめざす試み-

  • 猪谷千香/著   
  • 筑摩書房
  • 2014年1月

近年、従来のイメージを覆す新しい図書館が続々と登場しているのをご存知だろうか。公募で選ばれた館長のもと住民が何度も話し合いを重ねて作った図書館や、読書習慣が無い住民に読書を広めるため島全体を図書館にした町など、思わず行ってみたくなるような図書館がたくさん紹介されている。人と本だけでなく図書館が人と人をつなぐ出会いの場となり、時には町づくりに貢献し町おこしのきっかけにもなるなど、現代の図書館に求められる役割は土地によって様々で、その役割に応じた数々の個性豊かな試みには驚かされるばかりだ。
本書に出てくる“図書館は結局、人”と言う言葉に励まされる一方、図書館を作り支えるのは働く人だけでなく、その図書館を利用する「人」だと感じた。今まで図書館に行く機会が無かった人にこそどんな図書館なら行ってみたいか、自分の町に必要なのはどんな図書館かを考えてみて欲しい。それは本書で紹介されたどの図書館とも違う新しい図書館像になるのではないだろうか。
図書館で新たな人との出会いや、初めて知る興味深い何かに遭遇できたら、人生を今より少し豊かなものにできるかもしれない。
-あなたはどんな図書館が良いですか?