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2018サッカーワールドカップと開催国ロシア

  • 掲載日:2018年6月15日

4年に1度のサッカーワールドカップが、ついにロシアで開幕しました。ぜひ、日本代表には良い結果を残していただきたいです!
ところで普段はサッカーにあまり関心がなくても、ワールドカップは見る・応援するという方も多いのではないでしょうか?私もその1人です。また開催国のロシアについては、みなさんどのくらい知っていますか?
そこで今回は、サッカー日本代表が世界一になるための条件、開催国ロシアに関するハンドブック、そしてロシアの民衆文化の1つであるお風呂についての本を紹介します。

サッカー日本代表が「世界一」になるための5つの条件

サッカー日本代表が「世界一」になるための5つの条件

  • 西部謙司/著
  • 河出書房新社
  • 2015年6月

書名のとおり、日本代表が世界一になったらどうなると思いますか?きっとかつてないほどに盛り上がり、多方面で影響を与え、渋谷のスクランブル交差点をはじめ日本中がしばらくは祝賀ムードになる事が想像できそうですね。個人的には本田圭佑選手が「あきらめない限り(世界一になる)可能性はある」等のコメントをしていたのが、印象的でした。
さて本書では、監督、攻撃力、守備力、組織力、経験の5つを世界一になるための指針としています。そして歴代優勝国並びに日本代表の過去参加5大会について、この5つの指針をもとに分析しています。
注目は、第4章のサッカー日本代表「世界一」への条件です。2015年の刊行なので少し前の見解になってしまいますが、現時点での日本代表がどのくらい5つの指針に沿っているか照らし合わせながら観戦してみるとおもしろいのではないでしょうか。

地図で見るロシアハンドブック

地図で見るロシアハンドブック

  • パスカル・マルシャン/著 シリル・シュス/地図製作 太田佐絵子/訳
  • 原書房
  • 2017年6月

みなさんはロシアというと、どのような印象をもたれますか?
世界最大の広さをもつ国家、厳しい気象条件、軍事大国… また歴史好きの方だと明治時代の日露戦争を連想する方もいるのではないでしょうか。
しかし本書を読むと、それ以外にも宇宙大国や農業大国、鉱物資源の宝庫など実に様々な特色をもつ国家であることを知ります。
「はじめに」の部分には、ロシア全図が掲載されていて、84の連邦構成主体で成り立っているロシア行政機構や、冬日の年間日数240日以上の地域分布が一目瞭然で把握できます。
また領土・人口・民族など現在かかえている様々な問題についても、100以上の地図やグラフで詳しく解説されています。ワールドカップ前後、ニュースでロシアのことについて採り上げられる機会も多いと思いますが、予習の1冊として読んでみてはいかがですか。

風呂とペチカ -ロシアの民衆文化-

風呂とペチカ -ロシアの民衆文化-

  • リピンスカヤ,V.A./編 斎藤君子/訳
  • 群像社
  • 2008年5月

日本人と同じようにロシアの人々もお風呂が大好きなことを知っていましたか? とは言っても湯につかる入浴とは異なり、ペチカと呼ばれるロシア式暖炉兼オーブンに入って蒸気浴をする習慣が、16世紀には少なくとも普及し始め、18世紀から19世紀にかけてロシアの西から東にまで広がっていったそうです。
本書では、ロシア各地域での蒸風呂の歴史や手法をはじめ、ロシア式蒸風呂の魅力を様々な観点から伝えています。注目すべきは、風呂小屋が民間療法や、サイコロ賭博・トランプなど当時不埒な暇つぶしとされていたゲームをする場として民衆文化とのつながりが垣間見える一方、深夜に風呂に行くと妖怪に襲われる不浄な場所として言い伝えられてきたのには驚きです。
ペチカの用途は、暖房、調理、風呂と多岐に亘り、今でも使われているようです。極寒の地ロシアだからこそ重宝されるのでしょうね。