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「虫」いろいろ

  • 掲載日:2018年10月15日

夏の暑さもおさまり、秋の気配が感じられるこの時期になると、夜、草むらから、様々な虫たちの鳴き声が聞こえてきます。虫といえば、昆虫採集や虫の飼育・観察など、夏休みの自由研究のイメージがありますが、宿題とは離れたところで、虫について考えてみるのはいかがでしょうか。

鳴く虫の捕りかた・飼い方

鳴く虫の捕りかた・飼い方

  • 後藤啓 /著
  • 築地書館
  • 2016年8月

童謡『虫のこえ』でもおなじみのマツムシ、スズムシ、コオロギなど美しい声を持つ虫。その声は、昔から日本人の心をつかみ、慰めたり楽しませたりしてきました。特に江戸時代には、鳴く虫は人気が高く、おおぜいの虫売りが町中を売り歩いていたそうです。作者は、子どもの頃から鳴く虫が大好きで、いろいろな虫を採集・飼育してきました。この本には、特に人気のある21種について、発見方法、飼育方法などが詳しく書かれています。本を片手に鳴く虫を捕りに出かけてみるのも面白いと思いますが、それぞれの虫がすんでいる場所や鳴き声についても書かれているので、これを参考に身近で鳴いている虫の音に耳を傾けてみるのも良いかもしれませんね。

きらいになれない害虫図鑑

きらいになれない害虫図鑑

  • 有吉立/著
  • 幻冬舎
  • 2018年7月

ゴキブリ、ハエ、蚊、ダニ…これらの虫を「好きな虫」にあげる人はあまりいないでしょう。ところが世の中には、ゴキブリ100万匹、蚊とハエで10万匹、ダニ1億匹などの生物を飼っている所があります。それは、商品開発のために研究者から依頼があった虫を、必要な数揃えて提供するための施設です。この施設で働いている飼育員は、依頼主から指定された状態の虫(例えば「幼齢期のクロゴキブリ300匹」とか「チャバネゴキブリ、すべてメスの成虫で200匹」など)をすぐに提供できるよう、計画的に産卵させ育てています。
作者は、もともと虫はあまり好きではなく、いまだに虫が苦手なようですが、依頼主の要望に応えるため、日々工夫と努力を重ねています。作者が語る害虫たちの素顔は、とても意外なものもあり、見るだけでも嫌だった害虫の見方が変わってくるかもしれません。