おすすめの本

郵便(3月)

  • 掲載日:2022年3月15日

春は出会いと別れの季節。
スマホで瞬時にメッセージを送れる今、あえてゆっくり、大切な人に手紙を書いてみるのはいかがでしょうか。
思わず郵便局へ行きたくなってしまうような本をご紹介します。

知ってる?郵便のおもしろい歴史

知ってる?郵便のおもしろい歴史

  • 郵政博物館/編著
  • 少年写真新聞社
  • 2018年11月

明治時代に唯一、拳銃の携帯を認められていた職業が郵便配達員でした。貴重な郵便物を運ぶ配達員が、暗闇や山道で強盗や獣に襲われる危険があったからだそうです。さらに近代化が進むと、雨の日も風の日も東京・大阪から配達員が定時に出発するなど、人々の郵便への信頼も増していきます。大切な郵便を届けることに誇りをもって仕事をしていた昔の人に、尊敬と敬意の気持ちを覚えます。児童書ですが、通信の始まりから近代郵便の発展まで、郵便の歴史をわかりやすく紹介した一冊です。

東京しるしのある風景

東京しるしのある風景

  • 松田青子/著
  • 河出書房新社
  • 2017年11月

郵便局で「風景印」を押してもらえるのをご存知でしょうか?風景印は消印の一つですが、日付だけのものとは違い、その土地にゆかりのある名所、風景などの絵柄も入った印です。取り扱いのある局は限定されますが、郵便窓口で「風景印をお願いします」と伝えると、押印してもらえます。
著者が東京23区内で集めた風景印の紹介のほか、郵便局周辺案内などもあります。
風景印を廃止してしまった局も多くある中、荒川区では、4つの郵便局で風景印を押してもらえます。
(私は荒川郵便局と荒川町屋郵便局の風景印を持っています!)

漂流郵便局 -お母さんへ-

漂流郵便局 -お母さんへ-

  • 久保田沙耶/著
  • 小学館
  • 2020年4月

本書は2015年に出版された「漂流郵便局」の第二弾です。瀬戸内海の小さな島、粟島にある「漂流郵便局」。ここは、届け先のわからない手紙を預かる郵便局で、2013年の開局以来、家族や恋人など、亡くなった人、もう会えない人に宛てた約4万通もの手紙を預かっています。開局後、最初に届いた手紙は亡くなったお母さん宛だったそうです。
もう直接渡すことのできない母への手紙は、泣き言や後悔、謝罪の言葉に続き、たくさんの感謝の言葉であふれていました。
疲れた時、辛いことがあった時、ささくれた心をときほぐしてくれるような、あたたかい気持ちになれる一冊です。