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その後どうなった

  • 掲載日:2020年5月15日

歴史的な人物や建造物は事件や時代が変わった後にどうなったのか、知っているようで知らない意外な事実が記されている3冊をご紹介します。

明智家の末裔たち

明智家の末裔たち

  • 明智憲三郎/著
  • 河出書房新社
  • 2019年12月

明智光秀といえば、皆様はどのようなイメージを持っているでしょうか。主君の織田信長を討った逆臣と考える方が多いかも知れません。そのイメージを覆すのがこちらの資料です。明智光秀の子孫とする著者が史料をあたり、明智家側から見た本能寺の変とその後の一族の運命について書いています。
著者によると、明智家は勝者の秀吉側により歴史を改ざんされたとされ、江戸時代になってようやく名誉回復をされたとしています。また明智家一族は、居城だった坂本城の陥落後に全国に散らばりました。その際の逃走経路から推理して明智家の子孫の出自についても分析を加えています。
さらに巻末資料には本能寺の変以後の明智光秀の子孫に関する年表が載っています。

天守台に観覧車が!? 城郭が野球場に!? 『その後』の廃城

天守台に観覧車が!? 城郭が野球場に!? 『その後』の廃城

  • 今泉慎一/監修
  • 実業之日本社
  • 2018年3月

江戸時代にはたくさんあったお城は、明治維新以降の廃城令によってほとんどが取り壊されてしまいました。その跡地がどうなったか、こちらの本が教えてくれます。
例えば北海道函館市にある五稜郭は今も観光地としてにぎわっています。函館戦争後には陸軍の練兵場として使われていましたが、同時に公園としても市民に親しまれました。さらに、五稜郭の濠では何と国産の氷が作られていて、庶民が夏の暑さをしのいでいたり、医療用に使われていたそうです。神奈川県の小田原城も一度は取り壊されて、本丸跡地には遊園地が作られ観覧車まであったそうです。
他にも現存する12天守を含めた20以上の城について興味深い史実が書かれていて、時代の変遷を感じられる一冊です。

英雄の最期と墓所の事典

英雄の最期と墓所の事典

  • かみゆ歴史編集部/編
  • 柏書房
  • 2016年3月

日本史の有名人がどんな最期を迎えて、どこに眠っているかを知りたい時にお勧めです。生年と没年、功績だけでなく、終焉の地と墓所がどこにあるかが掲載されています。
古くは聖徳太子の時代の物部守屋(もののべのもりや)から近代では昭和47年に亡くなった川端康成まで、実に500人についてそれぞれ1ページにつき1人ずつ扱っています。巻末には人名索引の他に、都道府県別の終焉の地人名索引まで付いています。
徳川慶喜が明治以降何をしていたか、時代劇で有名な大岡忠相(ただすけ)や長谷川平蔵、遠山景元(かげもと)が実際に何をしたのか、他に演芸関連では初代市川團十郎や初代三遊亭圓朝等も載っていますので様々な関心を持つ人が楽しめる事典です。