おすすめの本

雨の季節に(5月)

  • 掲載日:2022年5月15日

いよいよ梅雨本番、雨の日が続くと少し憂鬱に…そんな家にいる時間が増える季節に読書はどうでしょうか?
窓はあまり開けられないけれど心の空気の入れ替えも大切です。
様々なジャンルの本をそろえてみました!たまにはいつもとは違うジャンルを読むと、思いがけない発見があるかも…??

図書館のための簡単な本の修理

図書館のための簡単な本の修理 書影

  • 高岡容子/原案・監修
  • 少年写真新聞社
  • 2019年6月

梅雨の時期に図書館員が(特に)恐れるもの…それは雨で濡れた本が返ってくることです。放置するとカビが発生し、そこから空気を介して他の資料にまで影響を与える可能性があるからです。この本では返ってきた後に図書館員がどのような対処をするか絵入りで見ることができます。時間と手間が予想以上にかかることに驚かれると思います。
最後に図書館からのお願いになりますが、本を汚したり濡らしたりした場合は、ご自身で修理せずに、どうかどうかできるだけ早めに図書館にお持ちいただければと存じます。

レインコートを着た犬

レインコートを着た犬

  • 吉田篤弘/著
  • 中央公論新社
  • 2018年5月

月舟町にある小さな映画館【月舟シネマ】の看板犬ジャンゴの視点で描かれる物語。映画を鑑賞し、人の話を理解し様々なこだわりを持つ。夢は【笑うこと】と少し風変わりな犬だ。
しかし映画館の経営は厳しく…主人もお客さんたちにも悩みがあるようでジャンゴに本音を語ることもある。
そんなある雨の多い季節に小さな事件が起こり、停滞していた日々が徐々に動き出していく。
停滞しがちな私たちの気持ちは何かひとつ些細な出来事で変化していくが、この物語は雨がひとつの転機となり、雨=憂鬱が少し視点を変えれば先へ進む予兆と捉えるのも面白いと思いました。

明治の東京-随筆集-

明治の東京-随筆集-

  • 鏑木清方/著 山田肇/編
  • 岩波書店
  • 1989年4月

都内の美術館で開催されていた鏑木清方展をご覧になった方もいるのではないでしょうか。近代日本を代表する画家の一人ですが、随筆も残しています。あじさいを好み「紫陽花舎」(あじさいのや)の雅号を使った清方。あじさいの季節に、清方が明治期の思い出を綴った随筆集をご紹介します。
清方は「築地明石町」「築地川」など、自身が暮らした築地界隈の風景や人々の生活を絵に残しましたが、随筆でも当時の町のことを書いています。橋が連なる川辺の風景、劇場のにぎわい、外国人居留地で見たあじさいの花…。風情ある町の様子がよみがえります。ぜひ画集と併せて、昔の東京の風景を味わってみてください。