おすすめの本

心の本を読む~見えないから、知りたくなる~(3月)

  • 掲載日:2023年3月15日

心とは何だろう?ふだんは気にも留めないけれど、傷ついたり、うまくコミュニケーションができなかったり、あるいは動物に心はあるのかと考えたりすると、よく分からなくなってしまう。
身近でありながら、目には見えなく、とらえがたい。そんな心を知るための本を紹介します。

あなたのまわりの「高齢さん」の本-高齢者の心理がわかる112のキーワード-

あなたのまわりの「高齢さん」の本

  • 佐藤眞一/著
  • 主婦と生活社
  • 2022年10月

近年、人は何歳になっても発達し続ける事が分かってきました。老いの考え方が変わりつつあります。著者は高齢者研究の第一人者。「高齢さん」という親しみのある呼び名を提案しています。人はいつから老人になるの?美しい思い出だけが残るのはなぜ?年を取ると性格は変わるのか等、高齢者の心理と不思議な行動が、分かりやすく解説されています。高齢者と接する機会の多い方、自身の老化に不安な方、ぜひ読んでみて下さい。「高齢さん」を理解する助けとなるでしょう。

ダンゴムシに心はあるのか-新しい心の科学-

ダンゴムシに心はあるのか

  • 森山徹/著
  • PHP研究所
  • 2011年4月

著者はまず、心とは何かを定義する。次いで、ダンゴムシの行動実験を通して、ダンゴムシには心があると説く。ファーブルやダーウィンを彷彿とさせる、ダンゴムシの実験部分を抜粋して読むだけでもだいぶ面白い。しかし、本書の真骨頂は、著者の「心」の定義を疑えば疑うほど、心とはいったい何なのか、自分でも定義づけしてみたくなるところだと思う。ああでもないこうでもないと考えながら読了すると、ふと自分が「心の科学」研究の入口に立っていることに気づくのだ。

野の医者は笑う-心の治療とは何か?-

野の医者は笑う

  • 東畑開人/著
  • 誠信書房
  • 2015年8月

占い、ヒーリング、スピリチュアル、etc…医学制度の外側で活動する、あやしい心の治療者たち、それが「野の医者」だ。
臨床心理士の著者が、沖縄で野の医者たちの治療を受けまくり、さらには「心のブロックを外す」という、謎のセラピーまで学ぶことに。混沌としたフィールドワークは、いつしか心の治癒の本質を探る旅となっていく。
著者は「心の治療は時代を映す鏡」だと言う。だからこそ、軽薄で、何でもありのおかしな治療が、癒せる人もまた多いのだ。
笑いながら読めて、ちょっぴり心が軽くなる一冊。