ぺら
どんな秋、どんな本
- 掲載日:2019年10月1日
2019年10月01日★vol.298
『スイート・ホーム』
- 原田マハ/著
- ポプラ社
- 2018年
バス停を降りたら、最初の角を左に曲がってください。いくつかの角を曲がると赤い屋根にクリーム色の壁、チョコレート色のドアのそば、大きなキンモクセイの木が目印の洋菓子店「スイート・ホーム」があります。そこには礼儀正しいパティシエと看板娘がいます。
日常で悩みを抱えた人々に希望と幸運を与えてくれる、きらきらした宝石みたいなスイーツ。本から甘い香りが漂ってくるような心穏やかになる 連作短編集です。 (茶葉@町屋)
『えーえんとくちから』
- 笹井宏之/著
- 筑摩書房
- 2019年
「えーえんとくちからえーえんとくちから永遠解く力を下さい」
これは、たった31文字の芸術、短歌です。
えーえんとくちから? 延々と口から? 永遠解く力。
一見ふしぎなひらがなたちに、読むひとそれぞれの想像をのせて。
この本は難病を患い26歳の若さでこの世を去った歌人・笹井宏之さんが残した歌をまとめたベスト歌集です。
わたしはこの本を読むと、透明な高い空がうかんできます。
あなたはどんな景色がうかぶかな。
秋の午後に味わってほしい一冊です。(ねぎ@町屋)