交換日記をあなたはしたことがありますか？
この物語は、さまざまな立場のふたりによる日記のやり取りがつづられています。入院中の生徒と先生。双子の姉妹。母親と息子。交通事故の加害者と被害者。
やり取りを重ね、お互いの心の内が明らかになる時、物語が大きく動き出します。「交換日記、全部読みました。そして、思い出しました」の言葉に込められた真意とは・・・・・・。最後にすべてが繋がるミステリー。
メールやSNSが日常の今だからこそ、手書きの文字でしたため、相手に届くまでに時間がかかるもどかしさを、味わってみるのも良いかもしれないと思わせてくれる一冊です。（茶葉＠町屋）

博物学者シートンの代表作である『シートン動物記』は昔から親しまれ、野生動物の観察を記録し、人と動物のつながりをまとめた本として有名です。
この本は、数ある作品の中から選ばれた五つの短編を、動物学者である今泉吉晴が現代語に分かりやすく訳しています。またシートン自身が描いた挿絵（さしえ）も繊細（せんさい）かつ正確に描写されている点が魅力の一つといえます。
「大きな足音や暗闇から光る目、そして人影……」これらは現実の脅威（きょうい）と重なる部分があるでしょう。読み進めることで、心で感じ、物事の本質を見抜く力が身につくかもしれません。四季の移り変わりと、動物の生態を読み取ることができる一冊です。（まぬる＠町屋）