ぺら
ころんでもたちあがれ
- 掲載日:2020年6月1日
2020年06月01日★vol.306
『朔と新』
- いとうみく/著
- 講談社
- 2020年
兄の朔(さく)は高速バスの事故に巻き込まれ視力を失った。
一人、盲学校に旅立つ。現実を受け入れられず、ふさぎこんでいたが、ある出来事をきっかけに、今までに見たことのない世界を見たいと立ちあがった。
間接的に視力を失う原因をつくった弟の新(あき)は、罪悪感からか、好きだった走ることをやめ、陸上部を退部した。大切なものを失った二人が、「伴走者になってほしい」という朔(さく)の言葉で、一本のロープを共に掴(つか)んだ。兄弟をつなぐ絆のロープがブラインドマラソンという、新しい世界へと誘(いざな)う。 (桜餅@ゆいの森)
『リスタート』
- ゴードン・コーマン/著 千葉茂樹/訳
- あすなろ書房
- 2019年
屋根から落ちて記憶を失ったチェース。学校に復帰したら、所属していたアメフト部のチームメイトが歓迎してくれたけど、他の生徒は目をあわせない。聞くところによると以前の自分はアメフトのスター選手だった一方で、いじめや暴力でまわりに迷惑をかけるとんでもなく悪い生徒だったみたいだ……。
チェースはかつてとは性格がかわり周りの人にやさしくなった。けれど以前の彼に戻ってほしいと思う人もいる。本当の自分って!?過去の自分と今の自分の間で悩みながら、それでも前にすすむ物語。
新しく人生をやりなおしてみたいって思うことある?それは記憶をなくさなくても、自分がかわることで可能かも。(あまおう@ゆいの森)