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みんなの80年代(4月)

  • 掲載日:2024年4月1日

昭和55年に始まり、平成元年で幕を閉じた1980年代。
エネルギーに満ち溢れ、日本独自のセンスとユーモアで次々に新しい文化が生まれた10年間。
今の若い世代には「新しい」「エモい」「かわいい」と映る80年代の文化が垣間見える3冊を紹介します。
Zehi yonde mitene!

シティ・ポップとラジカセ-70~80年代のカセットテープ・カルチャーを振り返る-

  • 開発社/編著
  • 徳間書店
  • 2023年3月

70~80年代に流行した「シティポップ」という日本の音楽が近年、世界的に広がり始め、その流れが日本にも逆輸入される形で再ブレイクしています。
本書は、名盤選や関連アーティストへのインタビューはもちろん、「シティポップ」を定義し直すという試みも。
単に「Jポップ」と一括りにはできない特異なジャンルであること、また現在の日本の音楽にも大きな影響を与えている理由が分かります。入門として最適な書。
※このジャンルだけを集めたCDもあります。ぜひ図書館の資料検索から「シティポップ」と検索してみてください。

鈴木英人 ALL TIMES作品集

  • 鈴木英人/著
  • 玄光社
  • 2022年5月

80年代を象徴する唯一無二のイラストレーター・鈴木英人氏の作品集。
本書は、40年のキャリアの中から代表的な作品を集めた内容となっています。
晴れ渡るリゾート地をポップに描いた風景画は、何年経っても色あせることなく、シティポップブームを機に若い世代のファンも増えているそうです。
巻末にあるインタビューでは、作品に込めた思いや取材撮影での裏話など、興味深いエピソードが多く語られています。それを知って、また違う見方ができるのも本書の魅力。
ちなみに左に紹介した『シティ・ポップとラジカセ』の表紙も鈴木氏の作品です。

ゆかしなもんの’80sガーリーカルチャーガイド

  • ゆかしなもん/著
  • グラフィック社
  • 2023年5月

「昭和的ガーリー文化研究所」という「武露愚」(ブログ)を立ち上げ、発信を続けてきた著者による80年代ガーリーカルチャー入門書。
「うちのタマ知りませんか?」、「ペンシルクラブ」、アイス「宝石箱」…。
ページをめくる度、「なつかしいー」の連続ですが、「なんかあったなこれ」という名もなきファンシーグッズにも焦点を当てているのが、著者の80年代愛に溢れるところ。
この時代特有のネオンカラーやファンシーなデザインは、いま見ても(いま見るから)かわいいと思えるものばかりで、当時を知っている方にも知らない方にもおすすめです。