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迷コンビ? 名コンビ!(5月)

  • 掲載日:2025年5月15日

一緒なら2倍以上の力が発揮できる…など、世の中には相性抜群で「名コンビ」といわれる2人(人ではないこともありますが)がいます。
時には「迷コンビ」の場合もあるかもしれませんが、強いきずなで結ばれた2人の物語を集めてみました。

カヨと私

カヨと私

  • 内澤旬子/著 杉江由次/編
  • 本の雑誌社
  • 2022年7月

小豆島に移住した著者は、家の周りの雑草を食べてもらうために、カヨという真っ白い小さなヤギを飼い始めた。カヨに語りかけ、散歩やドライブに連れていき、成長して発情すればムコ探しをして交配をさせる……。カヨの要望に応え、心を通わせるうちに、1人と1匹の関係は、ペットでも家畜でもなく、大切なパートナーのような、家族のようなものへと深まっていく。
前半では“2人”のほのぼのとした暮らしが描かれるが、後半では次々に起こる事件に、生き物と暮らしていくことの難しさを考えさせられた。

ストーンサークルの殺人

ストーンサークルの殺人

  • M・W・クレイヴン/著 東野さやか/訳
  • 早川書房
  • 2020年9月

シリーズ第1作目で英国推理作家協会のゴールドダガー賞を受賞した「ストーンサークルの殺人」。
主人公ポーは国家犯罪対策庁の刑事に復職し、犯罪分析官ティリー・ブラッドショーと出会う。ティリーは並外れたIQの持ち主で分析処理能力は天才級。しかしながら対人スキルが備わっていない。ポーはまっすぐな気質だが組織の中では扱いにくい。
かみあわないような2人がチームとして事件に挑み、互いを信頼していく。
刑事ポー・シリーズは現在第5作まで翻訳。どの巻から読んでもこのコンビの面白さを存分に味わえます!

チェシャーチーズ亭のネコ

 チェシャーチーズ亭のネコ

  • カーメン・アグラ・ディーディ/著 ランダル・ライト/著 バリー・モーザー/絵 山田順子/訳
  • 東京創元社
  • 2014年7月

実存するロンドンのパブ、イ・オールド・チェシャーチーズ亭が舞台で、チャールズ・ディケンズがこの店の常連として登場する時代のお話。
ネコのスキリーは、チェシャーチーズ亭がネズミを獲るネコを探していることを聞き、店へと向かう。面がまえが良いと気に入られ、チェシャーチーズ亭の飼いネコとなったのだが、スキリーには秘密があった。彼はネズミではなくチーズが好きなのだ。たてまえで捕まえたネズミのピップと手を組み、ネズミをこっそり逃がすかわりにチーズを運んできてもらえることになる。しかし新たな問題がでてくるのだった。
最後は手に汗握るネコとネズミの友情物語。