おすすめの本

もう一回、スタート!

  • 掲載日:2018年9月15日

夏休みも終わった。今年の後半戦の始まりだ。
うまくいったこともいかなかったことも、きちんと分析と検証をして一段上を目指して進んでいこう。

遺訓

遺訓

  • 佐藤賢一/著
  • 新潮社
  • 2017年12月

遺訓とは、西郷が残した教えをいう。西郷の教えを後世に伝えたのは、薩摩から遠く離れた出羽庄内藩の藩士たちである。幕末、江戸市中では直接敵対し、戊辰戦争では薩長からなる官軍に負け知らずのまま降伏せざるを得なかった、庄内藩と西郷の絆は如何にして生まれたのか。新しい明治という時代の始まりを、敗者の側から描く。私たちは、それが書かれた本によって、さまざまな立場の人間の存在を知る。いつの時代にあっても人間の心の深さと幅の広さを感じとる力の大切さと、学び、実践しようとする強い意志が未来をつくるということの普遍性に感じ入るのである。西郷という巨星のまわりには、さまざまに輝く星々が集っていたことに、改めて感動する。

敗者復活

敗者復活

  • 元永知宏/著
  • 河出書房新社
  • 2017年10月

プロ野球で通常のシーズンが終わると、ドラフト会議が楽しみになるファンも多いだろう。毎年、意中の選手を獲得できたかどうかで悲喜交々となるが、当事者の選手にとってはそれこそ人生の分かれ道となる。各球団のスカウトが全国の高校、大学、社会人野球で活躍している選手を選び、球団が指名する。ドラフト1位指名であればそれこそ鳴り物入りだが、上手くいかないことも残念ながらある。この図書にはドラフト1位入団であった選手7名の、指名されるまでどんな活躍をして、そして入団してからプロ野球選手としての生活、引退した後の人生が書かれている。それぞれの過程でどんなことを考え、思ったのかが鮮明にわかり、とても面白く思う。引退後は野球のコーチになったり、全く野球の世界から離れていたりと様々だがこれも復活だと思える。

山一證券復活を目論む男の人財力

山一證券復活を目論む男の人財力

  • 永野修身/著
  • 河出書房新社
  • 2018年9月

山一證券。かつては日本の四大証券と呼ばれ、1997年に破綻してしまった会社だ。もう20年以上経過したが、当時の社長が自主廃業を発表した記者会見を憶えておいでの方も多いのではないだろうか。破綻時に支店副支店長だった著者が金融業界専門の人材サービス会社を興し、山一証券復活を目指して努力し続けている。高校時代から始まり、大学、山一證券へ入社して会社が自主廃業をするまで、さらに転職から自分で会社を立ち上げるまでの生き様があり、部下や同僚の再就職に奔走し、営業で人脈を作ることよりも、縁を大事にした働き方こそ重要だと述べている。新山一證券として復活が叶えばかつて培ったノウハウを再利用し、縁に重点を置いた会社を目指すとした著者を応援したくなってくる。